環境フィールド科学専攻の特色
南西諸島から南九州の陸域・海域は、我が国の中で最南端に位置しており、地球温暖化に伴う亜熱帯化の影響を強く受ける地域である。したがって、当該地域で起こる気候・気象の変動、陸域・海域の環境変動、それに伴う生物資源変動に対する科学技術の知識を培う教育・研究を推進することは、持続可能で自然災害への耐性が高い生産環境保全や防災技術を持つ地域社会を創出するために必要である。 陸域・海域に跨るフィールドを中心とした実践教育研究と高度な知識、技術理論の修得を可能とし、理工学研究科、地震火山地域防災センター、国際島嶼教育研究センターなどとの研究科を越えた連携教育のネットワークのもとに、新たに生物環境科学コース、環境システム科学コースの2コースを設置する。各コースの詳細は以下をクリックしてください。
[生物環境科学コース] [環境システム科学コース]
環境フィールド科学専攻の養成人材像
南西諸島と南九州周辺の陸域・海域に特有の気候、環境、災害、生物資源、及びそれらの関連性を理解するための高度な科学的知識、さらに、当該地域の環境保全、生産環境・基盤に関する実践的知識と先進技術を身につけ、これらに関わる問題点の抽出とその解決策の提案を通して地域の一次産業の振興に貢献し、地域社会において中心的役割を果たせる人を養成する。
生物環境科学コース
- 黒潮の影響を強く受けた南西諸島と南九州周辺の環境特性及び生物に与える影響に関する科学的知識と高度な調査技術を身につけ、地域環境の監視、生物資源の活用と生物相の保全について実践的に取り組むことができる人を養成する。
環境システム科学コース
- 南西諸島と南九州周辺の陸域・海域に特有の気候・環境・災害に関する科学的知識を身につけ、それらの知識とフィールドデータセンシングやロボットなどの先進技術に基づき、地域環境の保全、地域資源の活用、農業生産基盤の整備、農業気象災害のリスク評価及びその軽減について実践的に取り組むことができる人を養成する。
環境フィールド科学専攻のディプロマポリシー
所定の単位数を修得した上で修士論文または特定の課題についての研究成果の審査及び試験に合格し、下記の資質・能力を身につけた学生に対して修士(農学)、修士(水産学)のいずれかの学位を授与する。
- 修士(農学)
・陸域を中心とする気候変動と地域の環境、保全と防災、地域の生物環境保全に関し幅広い知識と高度で実践的な技術・当該地域の環境保全、防災・減災に関わる問題点の抽出とその解決に際して、地域社会において中心的役割を果たせる能力 - 修士(水産学)
・海域を中心とする気候変動と地域の環境、保全と防災、地域の生物環境保全に関し幅広い知識と高度で実践的な技術・当該地域の環境保全、防災・減災に関わる問題点の抽出とその解決に際して、地域社会において中心的役割を果たせる能力
専攻内の各コースで授与する学位の種類は次のとおりとし、どちらの学位を授与するかは、学生の研究分野と修得科目を基に決定する。
- 生物環境科学コース:修士(農学)または修士(水産学)
- 環境システム科学コース:修士(農学)または修士(水産学)
環境フィールド科学専攻のカリキュラムポリシー
生物資源と生産環境・基盤に関する幅広い科学的知識・技術を修得させるとともに,練習船や現地圃場を活用したフィールドにおける実践的な実習によって問題解決に向けて自ら企画・立案できる能力を養成するための教育を行う。
環境フィールド科学専攻のアドミッションポリシー
陸域・海域の環境と生物、両者の関わりを科学的に理解することに関心があり、その知識を基に、日本有数の食料生産基地である環黒潮圏の農業・水産業、環境保全及び防災・減災に関する問題解決に臨む意欲がある人。