(2020.6.2更新)
高隈演習林では、2007年6月から、野生鳥獣のモニタリングを行っています。
このページでは、自動撮影カメラによって観察された生き物たちの写真を紹介します。
この観察により、これまで大隅半島北部では生息を確認できなかったシカの姿を捉えることができました(2013年10月)。
これ以降も断続的に確認をしており、生息密度の急増が懸念されています(写真公開を準備中)。
研究成果
動物観察をまとめた資料が、リンク先の鹿児島大学リポジトリからダウンロードできます。
湧水池などでの予備的観察(2007-2008)
→ 鹿児島大学農学部演習林研究報告36号 「高隈演習林における哺乳類相の調査-自動撮影カメラを利用して-」
継続調査3地点での観察(初めの3年分2008-2011のまとめ)
→ 鹿児島大学農学部演習林研究報告40号 「自動撮影カメラを利用した鹿児島大学高隈演習林における野生動物の調査」
高隈演習林におけるシカの撮影
→ (準備中)
以下の写真は、人跡のほとんどない119林班、広葉樹が9割を占めているエリアのものです。
定点観測をつづけていると自然のさまざまな様子がわかってきます。
同じ場所で、短期間のうちにいろいろな生き物が写ったので時系列で並べてみました。
(2016年7月~12月)
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アナグマ。
なんと3匹いっぺんに映りました。親子・・じゃなくて兄弟でしょうか。
(2016/7/3 20時43分 119林班PC3)
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コウモリ。
森の中ですがコウモリが羽ばたく空間もあります。なにコウモリでしょうか。
(2016/7/4 2時25分 119林班)
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イタチ。
2匹同時も珍しいことです。
(2016/8/22 20時14分 119林班)
このあと、2016年9月20日未明、猛烈な台風が大隅半島を襲いました。
演習林の歴史上、もっとも大きな災害をもたらしたこの風雨では、林道の復旧に丸3年がかかりました。
下は台風後の写真。
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ヤマガラ。
カメラ前に落ちた枝にとまっています。
(2016/9/25 15時16分 119林班)
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イノシシ。
カメラが気になるのでしょうか。
(2016/9/28 13時45分 119林班)
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ヒト。
カメラのチェック中(電池交換とデータ回収)。
この10年間、関係者以外でここまできた人間は3名だけ。
なので知らない人が写っているとびっくりします(電力会社の人でした)。
(2016/10/25 13時27分 119林班)
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キジバト。
常緑広葉樹におおわれて暗めの林内ですが、地上に降りた鳥類も写ります。
キジバトは、高確率でカップルで写ります。
(2016/10/25 17時02分 119林班)
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テン。
冬場は顔が白くなるはずですが、まだ黒いですね。
(2016/11/5 4時3分 119林班)
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イノシシ。
奥には子供の姿もあります。朝食でしょうか、この時期の主食はドングリのようです。
(2016/11/9 6時25分 119林班)
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アナグマ。
タヌキと混同されがちですが、よく見てみると全体にずんぐりした体形(冬に備えて特に太る)。
目や耳の色合いも比べてみてください。
赤い看板を倒したのは誰でしょうか。
(2016/11/16 20時12分 119林班)
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タヌキ。
毛がふさふさしていて体格もよさそうです。
疥癬に罹って毛のない個体がときどき見ますが、冬や雨期をしのぐのが大変そうです。
(2016/11/21 9時46分 119林班)
この時点で、中央に倒れかかっていた枯れ木が、さらに斜めになりました。
こうして森の木々も、少しずつ世代交代をしていきます。
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ヒト。
カメラのチェックに。
(2016/12/15 13時26分 119林班)
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シロハラ。でしょうか。
(2016/12/18 11時56分 119林班)
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ネズミ(アカネズミ)。
左下にいます。カメラを低く構えているのでネズミがたくさん写ります。
ちなみに、赤い看板は2m先にあり、サイズは10cm四方です(黄色は4m先)。
(2016/12/19 21時47分 119林班)
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カケス。
これもよく撮影されます。ときどき落ちている抜けた羽もいい拾い物です。
どうしてこんな配色になったのでしょうね。
(2016/12/24 13時47分 119林班)クリスマスイブの林内。
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アオゲラ。
体がみどりで、頭が赤い。これも面白い配色。
(2016/12/31 9時39分 119林班)大晦日です。
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ウサギ。
網膜の裏側のはたらきで目は赤く写ります(動物によって違う色になります)。
このあたりのウサギは冬でも白い毛になりません。
時間はさかのぼって1年前の積雪のとき。
(2016/1/26 22時47分 119林班)
こうしている今も、何台ものカメラが自然を観察してくれています。