鹿児島大学農学部附属高隈演習林は、本土最南端に位置し3,068haの規模を有する。演習林は、大隅半島に所在し、鹿児島市からのアクセスも、フェリーと車で60分と容易 な立地条件にある。 演習林には、100年を超えるスギやヒノキなどの、全国演習林でも屈指の人工林を有し、その面積においては1,132haと全国演習林で第1位を誇り、 ヤクスギなど約40品種が成林している。その上、シイ・カシなどの天然生の照葉樹林が広がり、天然林の面積も1,929haと広く、人工林、混交林、 天然林が演習林で観察できる。
演習林は、鹿児島県のシンボルである「桜島」(国際火山学及び地球内部化学協会が指定する特定16火山の1つ)の東側に位置し、桜島など活火山由 来の火山噴出物からなる「シラス」などの特殊土壌地帯に分布していることから、豊かな水資源を通じた水文教育だけでなく防災・減災教育上天然の 宝庫とも言える。
演習林の近くには、①「桜島溶岩実験場:37ha」があり、②大隅半島最南端の「佐多演習林:299ha」がある。①ではヤシャブシ・アカマツなどの 先駆樹種から森林への変遷を観察することができ、②ではヘゴやアコウなど亜熱帯性林(本土北限地)を観察することができ、生物多様性の観点から 教育面でも大変貴重なものとなっている。 本演習林は、①②を含め、合計3,400ha規模の面積(全国演習林第5位)を有し、広大、かつ多様な森林フィールドがまとまった形で存在している。
本演習林は、その歴史においても、明治41年の開山以来、100年以上の歴史を誇る。これまでは、専ら林学系の教育研究のために活用されてきた。しかし、本演習林に対する「社会人再教育に対する地域からの要望」が高まってきたことから、平成19年度より社会人の林業技術者教育 (履修証明プログラム、再チャレンジ社会人大学院)の場としても利用が進められ、プロに対しても対応可能な高度な教育ノウハウを有するに至る。
詳しくは鹿児島大学農学部附属演習林ホームページをご覧ください。