宮崎大学農学部「卒業論文」南九州の木材生産システム・流通の学習(4月15日~16日)
卒業研究の一環として、宮崎大学農学部森林経済学分野の学生9名、教員1名が当演習林をご利用して下さいました。学習の一環として、鹿児島大学森林政策学研究室との合同ゼミが設けられ、卒業研究の目的や計画についての発表と質疑応答等が活発に行われました。南九州とはいえ、鹿児島県と宮崎県とでは木材生産をはじめとした林業の成り立ちが異なるため、学生にとっては刺激のある貴重な意見交換となっていたようです。また、宿泊することによって、多くの時間を議論と交流に利用して頂くことができました。林内散策や土場の見学も実施して頂き、多くのフィールドを経験する一助となったようです。
長崎大学教育学部「ゼミナールⅠ・Ⅱ」(6月4日~8日)
教育学部の専門科目の一環で、長崎大学教育学部の学生4名(長大生)、教員1名が当演習林をご利用下さいました。鹿児島大学の学生と鹿児島県垂水市の垂水小学校5年生の総合学習「森のたんけんたい」の活動に長大生が参画することで、演習林が小学校に対して支援している「森林体験」活動場面において、専門的な「知」が児童(5年生)や支援者へどのように転移しているか・影響を与えているかを実践の中で学ぶ内容となります。利用して頂いた長大生は林内での実習経験がほとんど無く、演習林の支援の下、自大学では体験できないフィールドを活かした有意義な時間となったようでした。
志學館大学「フィールドで学ぶ環境科学」(6月24日~25日)
今年も地域の大学である志學館大学の「フィールドで学ぶ環境科学」におけるご利用がありました。文系の学生が演習林におけるプログラムを通して、自然環境や資源循環を学ぶ内容でした。演習林スタッフが積極的にプログラムのご提案をさせて頂き、林内散策に加えて竹細工や薪割り、火起こし、VRを使用した林業の安全体験等を行いました。雨の日の林内に入る機会がほとんど無い学生が多く、散策を通して自然環境に深く関心を寄せて頂きました。当実習では、演習林で発見したものは「演習林カード」として成果物を作成しており、学習の新しい視点を提供することができました。
岩手大学農学部「暖帯林概論」(8月30日~9月1日)
普段は東北の温帯林をフィールドとしている岩手大学の学生が、暖帯林における植生や環境および林業に関して学習を行いました。桜島・錦江湾ジオパークにて火山由来の土壌や地形の形成、それに伴う地域住民の生活を学んだ後、演習林にてシラスや地層、照葉樹林をはじめとした植生の見学を行いました。また、演習林は串良川の源流区域でもあるため、湧水も実際に見学して頂きました。地下水が湧き出る場所に気軽に足を運べるフィールドは中々無く、学生も興味深い様子で見学していました。
琉球大学農学部「森林政策学演習実習」(9月3日~9日)
沖縄にはスギが無いことから、日本の林業で最も典型的なスギ林での実習機会を設けるために当演習林を利用してくださいました。実習は森林踏査とプロット毎木調査をして、1人3本の間伐を目標として実際に伐木・造材、集材を行います。長期間にわたる実習ですが、演習林教職員の指導とサポートの下、自分達で作業地を選定し、チェーンソー操作、丸太の運び出しをすることで、座学だけでは学びきれない学習機会となっていました。
鹿児島女子短期大学「レクリエーション活動援助法Ⅱ『野外活動実習』」(9月12日~14日)
レクリエーション活動の体験と指導を通しながら、レクリエーション活動の社会的意義を理解し活動援助能力の習得や向上を図るための実習で、鹿児島女子短期大学の学生6名、教員6名がご利用くださいました。当演習林内で、ネイチャーゲームや沢登り、キャンプなどの野外活動を通して、自然への関心を深め参加者同士のコミュニケーションの機会となっていました。
長崎大学教育学部「ゼミナールⅠ・Ⅱ」(11月14日~18日)
教育学部の専門科目の一環で、長崎大学教育学部の学生3名、教員1名が当演習林をご利用下さいました。演習林が垂水市立垂水小学校に対して支援している総合学習「きこりにチャレンジ!」の活動に長崎大生が参画することで、専門的な「知」が児童(5年生)や支援者へどのように転移しているか・影響を与えているかを実践の中で学ぶ内容となります。林業体験そのものが初めての学生でしたが、演習林スタッフの支援の下で、安全に実習を終えることができました。鹿児島大学農学部の学生2名も加わり、大学や分野を跨いだ学生が実習に臨むことで、実習中は様々な視点の議論をすることに繋がっていました。
中国・雲南農業大学「グローバル人材育成(雲南)研修」(12月11日~12日)
中国から雲南農業大学がご利用下さいました。以前から継続的利用がありつつもコロナ禍で利用が停止しておりましたので、久しぶりの来演となりました。日本林業や日本の中山間地域の生活文化・産業等を学ぶために、高隈演習林にて素材生産の現場見学、大野集落の見学をしました。素材生産は演習林の技術職員がデモンストレーションを行い、学生からは林業の現場や作業の仕方等について、活発な質問が行われました。集落の散策では、主要な農産物であるさつまいもの栽培や貯蔵方法などの地域の取組みを見学したり、地域に住む人の話を聞いたりしました。実習のふりかえりの中で、地域の人口減少が進み、過疎地域の問題が存在していることは日本も中国も共通しているという認識を学生は持つようになっており、各自の課題意識が深化していることが伺えました。
公開森林実習「大隅の森と人」(2024年3月17日~21日)
(順次公開中)