test-国立大学法人鹿児島大学農学部・大学院農学研究科

坂巻 祥孝准教授らの研究チームが35年ぶりに日本からゴキブリを2種発見

 農学部の坂巻 祥孝准教授(害虫学研究室)が所属する研究チームが、新種のゴキブリ類(昆虫綱)2種を南西諸島で発見しました。

 日本で新種を確認したのは35年ぶりです。

 今回発見した新種は、美麗種として知られる「ルリゴキブリ属」に属します。「ルリゴキブリ属」のゴキブリは非常に美しい青色の金属光沢や、鮮やかな橙色の紋などを持つことが特徴で、人家に出入りすることはありません。一般的に害虫として知られるゴキブリですが、人家に出現するのは日本産ゴキブリ59種のうちわずか1割程度で、それ以外は森の朽ち木や洞窟などに生息し、人間とほとんど関わりのない生活をしているといいます。

 研究成果は、ZOOLOGICAL SCIENCE 誌オンライン版で2020年11月24日(日本時間11月25日)公開されました。発表内容は以下のとおりです。

 

■35年ぶりに日本からゴキブリの新種を2種記載

発表のポイント
  • 南西諸島からみつかったゴキブリ類(昆虫綱)2種を新種として発表
  • 35年ぶりに日本からゴキブリの新種を発見
  • 森林で分解者として有益なゴキブリの日本での多様性解明に一歩近づく
 
詳細
 ルリゴキブリ属のゴキブリは日本ではこれまでに石垣島、西表島に生息するルリゴキブリ Eucorydia yasumatsui 1種のみが知られていた。しかし今回、竜洋昆虫自然観察公園柳澤静磨職員、鹿児島大学坂巻祥孝准教授、法政大学島野智之教授(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター学外協力研究者)からなる研究チームの研究で南西諸島(鹿児島県〜沖縄県)から新たに2種のルリゴキブリ属のゴキブリを発見、新種として記載した。
 ゴキブリは害虫として知られている。現在、日本産ゴキブリは57種がしられており、今回2種を新種として記載したため、合計59種となった。このうち、人家の中に出現するのは、1割程度であり、それ以外のゴキブリは、森の朽ち木や洞窟などに生息して、朽ち木などの有機物を食べて生活しており、人間とはほとんど関わりのない生活をしている。
 さて、「黒い」「汚い」イメージのゴキブリであるが、 日本(南西諸島)から東南アジアにかけて分布するルリゴキブリ属のゴキブリは、非常に美しい青色の金属光沢や、鮮やかな橙色の紋などを持ついわゆる美麗種である。人家に出入りすることはない。通常、森林内の朽ち木内などで、腐植質などを餌に生活をしている。
 
 今回記載されたうちの1種、アカボシルリゴキブリ Eucorydia tokaraensis(ユーコリディア・トカラエンシス)は宇治群島家島、吐噶喇列島悪石島、奄美群島奄美大島、徳之島に分布しており、オスの全長が12.0~13.0 mm、上翅に黄赤色の3つの紋を持つことが特徴である。もう1種のウスオビルリゴキブリ Eucorydia donanensis(ユーコリディア・ドナンエンシス)は八重山列島与那国島にのみ生息し、オスの全長が12.5~14.5 mm、腹部は紫色で、上翅に不明瞭な黄赤色の帯状紋を持つことが特徴である。
 今回の研究では日本産と台湾産のルリゴキブリ属の系統関係を解明するためにDNA解析を6遺伝子座を用いて行った。その結果は、台湾産1種と日本産のルリゴキブリ3種に明瞭に分かれ、我々の形態による分類の結果を支持した。
 今回の発見は、いずれも珍種で、オスメスを採集することが困難であるにもかかわらず、柳澤が、粘り強い現地調査と、飼育によって、幼虫から成虫までを詳細に研究し、かつ、詳細な形態計測を行い、また、DNAによる詳細な検討を行う事が出来たので、珍種ながら新種として詳細に記載する事が出来た。
 
■発表雑誌: ZOOLOGICAL SCIENCE
■論文タイトル: Two New Species of the Genus Eucorydia (Blattodea: Corydiidae) from the Nansei Islands in Southwest Japan
■著者: Shizuma Yanagisawa, Shimpei F. Hiruta, Yositaka Sakamaki, Jhih-Rong Liao, and Satoshi Shimano(竜洋昆虫自然観察公園柳澤静磨職員、国立科学博物館蛭田眞平博士、台湾大学Jhih-Rong Liao教授、鹿児島大学坂巻祥孝准教授、法政大学島野智之教授)
■2020年,11月 24日 (日本時間11月25日) オンライン公開
 
▼(左)アカボシルリゴキブリ(右)ウスオビルリゴキブリ【柳澤静磨撮影】


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