果樹園芸学研究室 Lab. of Fruit Science

 果物は食生活に潤いをもたらすだけでなく、健康な生活を送るために必須の機能性成分を含む重要な食品です。果樹園芸学は、果樹や果物を対象とし、高品質な果物の安定生産・多収を目指して、多様な面からアプローチする学問です。
 
 鹿児島大学農学部・農業生産科学科・果樹園芸学研究室では、暖地に位置する鹿児島の立地条件を活かして、カンキツ類、パッションフルーツ、アセロラ、アボカド、アーモンドなどの(亜)熱帯・温帯果樹を主な材料として、以下のような幅広いテーマで研究を実施しています。
 
高温ストレスや水分ストレスなどへのパッションフルーツの環境応答」
 パッションフルーツは生育適温が狭く、日本の冬や夏では果実生産が不可能です。我が国におけるパッションフルーツの高品質果実の安定生産を目指して、生理・生態的な面から栽培環境と果実・樹体成長との関係解明について詳細な研究を実施しています。
 

バイオテクノロジー技術を利用したアセロラの育種法の確立」

 アセロラは果実に極めて大量のビタミンCが含まれる健康増進に貢献する果樹です。しかし、果実は小さく、保存性が悪いといった欠点も数多くあります。それらの改良をバイオテクノロジー技術によって実施するため、本研究を実施しています。一部品種の茎頂培養系の確立には成功しました。

 

「アボカドの安定生産条件の解明」

 アボカドは近年極めて注目されている亜熱帯果樹です。しかし、我が国では栽培の歴史が浅いため、安定した果実生産技術はまだ確立されていません。本研究は冬の耐寒性と果実生育期間の適切な環境条件の解明を目的として実施しています。

 

「アーモンドの安定生産条件の解明」

 アーモンドは地中海性気候に適した果樹ですが、国産アーモンドの需要が高く、国内での生産が期待されています。高温多湿の鹿児島で安定したアーモンドが生産できる条件を解明することを目的としています。

 
南西諸島の在来カンキツに関する研究」
 南西諸島には自生のシィクワーサーや導入種のクネンボ、それらの偶発実生として発生したカーブチー等種々の在来カンキツが生育しています。これらの遺伝的背景を解明するとともに、それら特性についても研究しています。その結果、在来カンキツには機能性成分が非常に多いものがあること、独特の香り成分を備えているものがあることがわかりました。これらの成果は、地域の遺伝資源素材を活かした食品開発の基礎データとしても利用されています。 

 

「カンキツ遺伝資源の収集・分類」

 カンキツは世界で最も生産量の多い果樹です。各地で様々な種類が栽培され、形態的な多様性にも富むため、その正確な分類は極めて困難でした。本研究では、実際に海外の在来・自生カンキツを供試して、形態的特性だけでなくDNA分析によって、多数のカンキツの類縁関係の解明や分類を実施しています。

 

カンキツにおける無核性機構の解明」

 カンキツにおいて無核性(タネ無し)は、極めて望ましい特性です。無核性は生殖器官の不稔性によって発現しますので、雄性・雌性不稔性、自家不和合性と種子数との関係を解明し、安定的な無核性果実生産技術の開発を目指します。

 

果樹の染色体解析」

 染色体は遺伝子の担体であり、その研究は育種・遺伝・ゲノム研究と密接な関係にあります。カンキツとナシを主な材料として、染色体識別法の開発や育種、分類への適用を行ってきました。特にナシでは主要病害の黒斑病抵抗性関連遺伝子の染色体上での位置の検出に成功しました。

 

「果樹の倍数性育種」

 カンキツ、アセロラ、パッションフルーツを主な対象として、大果または三倍体育種の親となる四倍体および無核性となる三倍体の作出を種々の方法によって実施しています。

 

カンキツの開花・結実に関する研究」

 鹿児島県の特産カンキツであるタンカンやポンカンを中心として、高品質果実の安定生産を達成するため、それらに関連する種々の条件について検討しています。

 

 

Reserach Interests

  • Environmental response of passion fruit (Passiflora edulis) 
  • Establishment of breeding system of acerola (Malpighia glabra) using biotechnology
  • Elucidation of environmental condition for stable fruit production in avocado
  • Elucidation of environmental condition for stable fruit production in almond
  • Genetic resources of Citrus and its relatives  
  • Elucidation of mechanism of seedlessness in Citrus  
  • Choromosome analysis of fruit trees  
  • Flowering and Fruiting of citrus
  • Polyploid breeding of friuit trees 

 

 

 実験材料の多くは、郡元キャンパスから約2Kmのところにある附属農場 唐湊果樹園で栽培・管理しており、果樹園の職員と協力しながら研究を進めています。


唐湊果樹園 ⇒ toso.jpg                    

 

鹿児島大学  Kagoshima University

    農学部 Faculty of Agriculture

          生物生産学科  Department of Agricultural Sciences and Natural Resources

        園芸生産学講座 Chairs of Horticultural Science

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お知らせ

研究情報

  • Publication 論文等 [2014.03.27]
    Reaearch articles (1985~) 原著論文 Yamamoto, M., Ito, A., Sogabe, A., Kajiwara, Y., Ishihata, K.:
  • 学会発表(2013~) [2013.10.11]
    《2017年》  ・楊 学虎・島田温史・山本雅史,高温がアボカド数品種の光合成特性に及ぼす影響.園芸学会平成29年度春季大会,2017年3月(神奈川).